ホームページを始め、Webサイトの大きなメリットの1つが、効果検証して改善できること。特に集客目的のホームページの場合は指標も明確なので、改善を重ねることで大きくコンバージョン率や売上を伸ばすことが可能です。
しかしながら、課題を洗い出すところまではできても、その後、具体的にどこをどう改善すれば良いかわからず困っている運用担当者もいるのではないでしょうか。今回は、私たちが実際に実施して効果の上がったホームページ改善策を3つ紹介します。事例はB to B向けサービスのホームページですが、B to C、とくにサービス業の方にもヒントになるはずです。
≪改善事例1≫“誰のどんな悩みに役立つ存在であるか”シンプルに伝える
※上記は姉妹サイトです。
ホームページのトップページ、中でも最初にユーザーの目に触れる冒頭のファーストビューは、企業の印象を決定付け、「直帰率」にも大きく影響する重要な要素です。直帰率とは、ユーザーが最初に訪問したページで離脱した割合のことで、業種や商材によって差があるため厳密には言えませんが、多いところでは50%以上ものユーザーが、ファーストビューだけで読むのを止めて他のサイトに移ると言われています。
ファーストビューに関しては、「自社が“何屋さん”であるかを明確にすること」というアドバイスをよく目にします。もちろん、それはそれで間違いではありませんが、注意も必要です。それは、ここで言う“何屋さん”とは、自社が何を売っているか、どんなサービスを提供しているか、といった企業目線のアピールではなく(たまにそれすら明確でないホームページも見かけますが)、「ユーザーにとって」何屋さんであるか、もう少し具体的に言うと、「どんなユーザーの、どんな悩みや問題を解決できる存在であるか」ということです。
ファーストビューに必要な要素
そして、そのためにファーストビューで伝えるべき要素を整理すると次のようになります。
- (1)誰のどんな問題を解決するか/役に立つか
- (2)自社の強み(同業他社との違い)
- (3)実績・権威付け
(1)はキャッチコピーにあたる要素ですが、とにかくシンプルかつわかりやすく伝えることが大切です。ユーザーがファーストビューを見る時間は約3秒。ポエムのような一目で理解できない凝ったコピーは必要ありません。
(2)は他社との差別化要素。キャッチコピーの説得力を後押しする要素でもあります。
(3)の実績・権威付けは、信用や信頼感に関わる要素です。「たくさんの」「多数の」といったボンヤリした表現ではなく、「リピート率96.5%」「××大学に134名現役合格」など、数字を使って具体的にアピールするのがポイント。「〇〇認定企業」のように、第三者による評価を示すのも効果的です。
上に挙げたファーストビューでは、3つの要素をそれぞれ次のように伝えています。
以上を参考に、一度自社のファーストビューをユーザー(ターゲット)目線で見直して、「問題解決の役に立ってくれそうな企業や商品・サービスに見えるか」チェックしてみてください。
≪改善事例2≫ユーザーが知りたい情報(コンテンツ)を増やす
いわゆる「ダメなサイト」に共通する特徴として、「自社の伝えたいことばかり伝えている」ということが挙げられます。もちろん企業としての信用に関わる情報は漏れなく伝えなければいけませんし、商品・サービスの良さをアピールすることも大切です。他にも、起業や商品開発のストーリー、経営者の想いのようなソフト面のアピールも他社との強力な差別化要素になります。
しかしそうした情報は、社名や商品・サービス名で検索した少数のユーザー(会社や商品について少しでも知識のあるユーザー)に対しては有効でも、それ以外の、商品に関連する悩みや課題系のキーワードでホームページを訪問した大部分のユーザーにとってはあまり響きません。では他に何が必要か?と言うと、「ユーザー(ターゲット)の知りたい情報」です。
例えばB to Bサービスなら、ビジネスノウハウや成功事例、業界トレンド。不動産賃貸業なら、よくある賃貸トラブルの解決法や一人暮らしのアドバイス、おしゃれなインテリア紹介。自社や商品の宣伝の前に、こうしたユーザーが本来知りたい情報を伝えることで、「悩みや問題を解決してくれる企業」として認知され、潜在顧客から見込み顧客へと変化する可能性が生まれてきます。
そのために最適なツールがオウンドメディアとしてのブログ活用です。いまや多くの企業がCMSを使ったブログ一体型のホームページを活用していることもあり、その有効性についてはご存じの方も多いでしょう。
ブログのメリット
具体的には次のようなメリットがあります。
- SEO効果が高い
- 追加・更新が簡単
- 見込み客獲得、既存顧客との関係維持
- 自社の資産となる
ただし、例えばB to Bサービスだからといって、ただ漫然とビジネスノウハウのブログを書き続けても、これらの効果があらわれることはありません。すべては本当の意味でユーザーの役に立ち、かつ競合よりも「質の高い」ブログを書くことが前提です
ブログを書く上で大切な考え方
例えば上の画像のブログは、「士業 リスティング広告 予算」のキーワードで検索するターゲットに向けて、フェーズやケース別の予算算出方法を説いたものですが、書く際に意識したのは、とにかく実践的な内容にすることでした。なぜなら他のサイトはリスティング広告運用前の一般的な予算の出し方のみで、実際に広告を開始して状況が変化すると、まったく参考にならない内容のものばかりだったからです。
下の画像の通り、現在(2019年10月)、Googleで「士業 リスティング広告 予算」で検索すると1位表示されているのも、そのあたりをユーザー(とGoogle)に評価されているからだと思います。
どこにでも書いているようなものではなく、独自性が高く、実際に役立つ内容にすること。手間はかかりますが、ブログを書く上でもっとも大切な考え方です。
≪改善事例3≫多種多様な問い合わせ窓口を用意する
B to Bサービスなど、ホームページだけで成約することがない商材を扱っている場合は、問い合わせ方法を数種類用意しておくことも大切です。時間がなくて電話ですぐに確認したい人もいれば、じっくりと検討するためにメールを好む人もいるからです。
また、ユーザーに電話番号や問い合わせボタンを探す手間を与えないように、ヘッダーやサイドバーに1つにまとめ、画面をスクロールしても常に目に入るようにしておくと良いでしょう。
他に問い合わせ関連でおすすめのツールを2つ紹介します。
チャット(ボット)機能
最近、多くのホームページで利用されているのがチャット機能です。ユーザーにとっては、フォームに個人情報を入力する手間やリスクなく気軽に問い合わせできること、企業側にとっては、電話と違い、1人のスタッフが同時に複数の問い合わせに対応できるというメリットがあります。AIを活用したボット(自動応答)タイプなら人手も必要ありません。
目的別のフォーム
問い合わせ、資料請求、見積依頼に同一のフォームを使用しているホームページがありますが、使い勝手が悪く、煩わしさを感じることがあります。ユーザーの立場で考えると、目的別のフォームを用意するのがベストです。
まとめ
以上、私たち自身の事例をもとに、ホームページの改善方法を紹介してきました。やはり大切なのはユーザー目線。これに尽きます。もちろん今回の内容がすべてではありませんので、他にも効果のあった事例については別の記事で伝えられればと思います。
また、集客目的のホームページを運営している方は、こちらの記事も参考になるはずですので、よろしければご覧ください。
「【効果実証済み】ホームページのコンバージョンを増やす5つのポイント」
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